TOP > 生物多様性センターの国際協力 > ESABII > Japanese page(日本語ページ) > 概要
1992年、生物の多様性を保全するとともに、生物資源を持続可能な形で利用していくための国際的枠組みとして生物多様性条約(Convention on Biological Diversity: CBD)が採択されました。1998年の第4回生物多様性条約締約国会議(CBD COP4)では、生物多様性保全の基礎となる分類学がイニシアティブを発揮していくために、「世界分類学イニシアティブ(Global Taxonomy Initiative: GTI)」の実施が決議されました。また、2010年に愛知県名古屋市で開催された第10回締約国会議(CBD COP10)で採択された戦略計画2011-2020(愛知目標)でも、生物多様性に関連する知識、科学的基礎及び技術が向上することが短期目標19に掲げられています。
分類学の重要性が世界的な課題となるなか、東・東南アジア地域は、世界的に見ても生物多様性が非常に高いのにもかかわらず、生物多様性保全のために必要な分類学の知識と能力を持つ人材が不足しています。さらに、これらの地域においては生物多様性に関する情報は未だに限られ、散在しており、情報共有の基盤が整備されていません。
このような背景のもと、生物多様性保全の推進と生物多様性条約の掲げる課題達成に貢献するために、2009年に東・東南アジア生物多様性イニシアティブ(ESABII:East and Southeast Asia Biodiversity Information Initiative)が設立されました。ESABIIは、日本の環境省自然環境局生物多様性センターが事務局を務めており、東・東南アジア地域の14ヶ国および関係機関を構成メンバーとしています。